バイロンケイティのワークは「4つの質問」と「置き換え」は皆さんもご存じでしょう。
①それは本当ですか?
②それが絶対に本当だと言い切れますか?
③その考えを信じると、あなたはどう反応しますか?何が起きますか?
④その考えがないと、どうなりますか?
そこで注目したいのは3番目の質問。
例えば、あなたのストレスフルな考えが「彼は私を無視する」だとしましょう。
質問3では「彼は私を無視する」という考えを思いっきり信じた瞬間、
どんな反応が起こるか―どんな感情に支配され、どんな体の感覚が引き起こされるのかを、
じっくりと探求します。
苦しみを乗り越えるには、難しい感情を否定せず、居場所を与え、認めることが大切です。
クリストフ・アンドレ著「マインドフルネスー心を鍛える瞑想術」(紀伊国屋書店)にも、
「ネガティブな感情というのは、暴れている動物のようなもので
押さえつけて無理やり言うことを聞かせようとすればするほど、
もがいて私たちを傷つけてしまうものだ。
だから、たとえつらい感情も居場所を与え、
存在してもいいとみとめてやるほうがいいのである。
そうして自分の感情を観察してみる。
この感情によって、体はどんな影響を受けているのか?」
とあります。
それはまさに、ワークの質問3で、私たちが観察し、探求することです。
私の経験では、ここで体の感覚に注意を向けることで、
かなり、感覚に敏感になる様になりました。
そして、思考を無邪気に信じたために、自分の体をも痛めつけていることを発見するのです。
「彼は私を無視する」という思考を信じた状況を思い浮かべ、感情を感じることを許すと、
呼吸が浅くなって、心臓がドキドキし、胸が苦しくなります、
不安と悲しみと怒りで、ムカムカしてきて吐きけさえしてきます。
のどが締め付けられて、声が出せません。
肩と背中、腰に力が緊張でコチコチに凝っています。
知らないうちにこぶしを握りしめ、顎に力が入っています。
胃のあたりに難い結び目ができたようです・・・。
感情を信じただけで、体がこんなに変化をするなんて!
ここで十分に思考を信じると、どんな感情がわき、
体にどんな影響が出るのかをじっくり観察すると、
4番目の質問「その考えがなければ、あなたはどうなりますか?」に
移りやすくなりますし、何よりも
思考を信じたときと、そうでない時のコントラストがはっきりわかるようになります。
また、質問3でしっかりと感情を受け止め、居場所を与え、しっかり感じてあげる、
マインドフルネス瞑想の重要なプロセスを体感できるわけです。