私について


 新たな冒険を求めて日本を飛び出し渡英したのが2002年。エコビレッジ、国際コミュニティとして知られるフィンドホーン・ファウンデーションのスタッフとなり、世界中の人々と働く中、日本では当たり前だと思っていた概念は、まったくあてにならないと思い知らされました。

 国籍も、肌の色も、考え方も違う人々が一緒に仕事をし、生活していくのは、思ったほど簡単ではありませんでした。人をジャッジしないように心がけても、「あの人はこうであるべき」「わたしはもっとこうでなければ」と、ジャッジメントは止まりません。それを押しやろうとすればするほど、その声は大きくなり私を苦しめました。

 今まで信じていたことは何だったのだろう? 自分だと信じていたものが崩壊していく中で、ノンデュアリィ(非二元)やインド哲学、バイロンケイのワーク(以下ワーク)に出合いました。とくにワークは、実際に「どうしたら」思考とワークをすることができるのか、とてもシンプルで、実用的な方法で道を示してくれたのです。

 それから、私は自分の思考を一つひとつ認め、出会っていくことを始めました。初めはネガティブで残酷な考えを見つけると、罪悪感がわいてきたのを覚えています。でも、しっかりとその思考と出会い、ワークをすると、たくさんの気づきが生まれることに気が付きました。その考えに感謝さえわいてくることも少なくありません。

 現在は、ワークの公認ファシリテーターとして、スカイプやZOOMで世界中の人々のストレスフルな思考に問いかけています。そこでいつも思うのは、一つとしてユニークな思考はないということ。ボスニアヘルツェゴビナでも、アメリカでも、ハンガリーでも、スウェーデンでも…。一つの心(ワンマインド)とはよく言いますが、まさにそんな感じです。そして彼らの思考は、私が昨日思ってストレスに感じたことと、まったく同じだったりもして、思わず微笑む瞬間さえあるのです。